想い出深いイルカの話をもう一つ。
2007年の冬、食用として捕獲されたハナゴンドウの群れの中に一頭不思議な個体が混ざっていた。頭部やヒレ先の一部をのぞいて見事に美しい白色。洋上1マイル先からも、この不思議なイルカは異彩を放っていた。アルビノの定義からはいささかズレてるかもしれないが、色素異常と思われる。当時私は、このイルカを何とか殺さずにすますことが出来ないかと考え、関係者の協力のもと、近隣の水族館に飼育を依頼した。最近、今でもその水族館では同じ群れの仲間らと元気に過ごしているという話を耳にした。